置敷き施工

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置敷き施工(浮床施工、フローティングフロア施工)

置敷き施工の魅力と推奨物件

置敷き施工の魅力

どのメーカーも、ラミネートフロアの施工説明は、ラミネートフロアを床下地材に固定しない「置敷き施工」です。動画投稿サイトYouTubeを見てもラミネートフロアの施工説明は「置敷き施工」です。
置敷き施工の魅力を箇条書きいたします。

  • 床暖の床仕上げ材として施工:床暖機器が故障した場合に、簡単に剥せる床仕上げ材。
  • 床材の張替えが簡単位できる:部屋のイメージを変える、お子様の成長に合わせて床材をのイメージを変えるなどが容易に可能となる。
  • 剥がした床材の再利用が可能:約70%から80%のラミネートフロアが他室の施工で再利用できる。頻繁に展示会に出展される企業様向け。
  • 工期の短縮:複合フローリング(接着剤施工)の半分以下の施工期間。ただし、ラミネートフロアのクリック形状により工期は大きく変動する。
 

置敷き施工の推奨物件(基本は1部屋単位のリフォーム)

  • キャスター椅子を使用する部屋:書斎や子供部屋などのキャスター付き椅子を使用する部屋。
  • キッチン:食器など落としてもダメージが気にならない丈夫な床材です。
  • 既存フローリングの保護:既存フローリングの保護の目的で絨毯の代わりに使用(重ね貼り施工)する。

置敷き施工の注意点

置敷き施工ができるか検討する。

  1. 連続施工が可能な面積
    1. フロア材の長辺方向12メートル以内、短辺方向8メートル以内の施工とする。
    2. 12x8メートル超の場合は施工面積を分割し分割した隙間を見切り材で隠す。見切り材を使用しない場合は接着剤施工に変更する。
  2. 壁際の納りを決める
    1. 巾木の厚さ15mm(隙間10mm)を推奨。隙間5mmとする場合は巾木の厚さは7mmまたは9mmとし、フロア1列目の施工は壁の曲がりに沿って幅をカットして確実に隙間5mmを確保する。
    2. 8畳以下の1部屋リフォームでは、壁際(既存の巾木)の隙間5mmとして隙間はそのまま開いたままとする、またはゴム製パッキンぐで埋める、または弾性素材のパテ埋めとする。
  3. 床下地材の注意点
    1. 床下地材が合板、OSB、二重床のPBなどの場合は特に問題はなし。防湿シートやクッション材は割愛可能である。
    2. 既存床仕上げ材がカーペットの場合は、カーペットを剥がし合板捨て貼りをし合板を固定し床下地材とする。一般的にカーペットの下地(スラブ)の平滑性が悪いため。
    3. マンションの床リフォームでは、マンション規約「床材の階下への減音性能」があるため、既存床は剥がさずに重ね貼りする。既存床がカーペットの場合は、カーペットの上に合板を捨て貼りし床下地材とする。または床下地材を二重床に変更する。
 

床の突き上がり(施工ミス)時の修繕方法を考慮した施工とする

万が一に備え床が突き上がった場合に、何処の巾木を外し床材の幅を再カットすれば突き上がりが納まるかの考慮した施工をしてください。

置敷き施工で、フロア材を床下地に固定しない施工では、床の突き上がりは修繕可能です。部分的にでも接着剤や釘でフロア材を床下地材に固定した置敷き施工では全面的張替えとなります。

置敷き施工の説明

クロノテックスは工具不要の最新式クリック施工(Express clic)

クリックの形状により施工方法が異なりますが、他社のクリック施工でも参考になる内容が多くあると思われます。

 
 

ラミネートフロア施工の注意事項

不陸は1メートルで3mm以内

置敷き施工では不陸5mmの時は、施工しながら不陸の隙間に減音シートなどの硬いものを詰めながら不陸調整が可能。

連続施工面積には限界がある

クロノテックスでは、最大 MAX 8m x 12m。最大面積を超える時は図の隙間を空ける、または置敷き施工を断念し接着剤施工にする。

床下地材に固定することは厳禁

置敷き施工で、床材を床下地材に固定すると床材が突き上がる不良施工となり、修繕方法は全面張り替えとなる。

クロノテックス施工で使用する切削工具と小物


①クロノテックスラミネートフロア:施工面積プラス5%(〜10%)
②替え刃式手鋸(必須):長さカット、1列目と最終列の幅カットなどオールマイティー。
③電動丸鋸(あると便利):必須ではありません。
④台付電動丸鋸(あると便利):1列目と最終列の幅カットで有効。
⑤ジグソー(あると便利):②の手鋸では体力が必要、ジグソーは比較的安全でオールマイテー。
⑥のみ(ケースバイケースで必要)
⑦カッター:フロア材の長さカット線を引く、ラミネートフロア箱の開梱


①施工説明書:置敷き施工では「置敷き施工用」、接着剤施工では「接着剤施工用」の施工説明書。または本サイトの施工説明のメモ書き。
②電卓、メモ用紙、メジャー、直角定規、鉛筆など

ラミネートフロア施工の準備から完成までの説明(全体の流れ)

施工の前準備、1列目の施工、2列目以降の施工、最終列の施工など全体の流れを説明いたします。

1. フロア材の張り方向を決める

①L3を求め、L3を張り始め1列目まで移動し、壁の曲がりや変形に合わせ1列目の幅をカットする。切り落とす幅は、計算により1列目と最終列の幅が50mm以上となるよう計算で求める。
②各列の張り始めフロア材の長さと張り終いの長さを約40センチ以上とするため、L3とフロア材の長さから張り始めの長さを計算で求める。
(例示)L3=5000mm、フロア材の長さ=1380mm
張り始めの長さ400mmとすると、張り終いの長さは460mmとなる。
よって、張り始めの長さ460mmでは、張り終いの長さは400mmとなる。
張り始め460mmから860mm(=460+400)では張り終いの長さは400mm以下となるため張り始めの長さは下記の範囲が不適となる。
張り始めに不敵な長さ:長さカット材400mm未満、460mm〜860mm(=400mm+460mm) 
注)張り始めと張り終いの長さ400mmは「約400mm」として、施工してください。 

2. 1列目幅カット線を引き、カットする

1列目となるフロア材の短辺を勘合し、前項1で求めた切り落とし幅に従い、壁の曲がりや変形に沿ってカット線を引き、フロア材に勘合を外し1枚ずつ幅カットする。
①1列目となるフロア材の勘合は、幅カット時に嵌合を解除するため、フロア材短辺のバネを外して嵌合する。
②嵌合した1列目を切り落とす幅を考慮しL3(前項1を参照)に平行に置く。
③長さ30センチ前後のフロア材の一方を壁に押し付けたまま端から端まで移動させ、同時に他方に鉛筆で線を引く。この線が1列目幅のカット線となる。
④フロア材の嵌合を解除し、①で取り外したバネを元に戻す。
⑤カット線に合わせ1枚ずつカットする。(バネも同時にカットする)
⑥壁際に隙間確保のスペーサーを置き、フロア1列目の施工をする。
注)壁の曲りや変形に沿って1列目の幅をカットしたため、⑥のスペーサーは等厚のスペーサーが使用可能である。

3. 防湿シートを敷き、クッション材を敷く

木造住宅の合板、OSB、PBなどの木質下地材では、防湿シートもクッション材も割愛できる。これらが必要か不要かが分からない時は、これらを敷く。
(防湿シートとクション材を必要とする背景)
ラミネートフロアの施工現場は、欧州の住宅や事務所を想定している。現在はCLTなどの木造建築物が脚光を浴びているが、木造建築物は少なく床下地はスラブなどが前提となっている。
このため、防湿シートが必要である。欧州では建物の中は土足歩行(重歩行)であり、ラミネートフロアの普及版は厚さ8mmでは、土足歩行時に安っぽい音がして歩行感も悪い、このためクッション材が必要となる。
厚さ10mmや12mmのラミネートフロアは、無垢材フローリングに近い歩行感のためクッション材は不要。日本の木造住宅は床下地が合板で軽歩行(普通歩行)のため、防湿シートもクッション材も不要。(自己責任で採用してください)

4. くさび形スペーサーについて

各メーカー施工説明では、壁際の隙間はくさび形スペーサーを2枚1組で使用する説明となっている。
クロノテックス純正スペーサーは、8mmから12mmの隙間が確保できる。1列目の幅をカットしない施工説明では、壁際の隙間10mmは壁の曲がりを考慮すると実質8mmから10mmの隙間と思われるが、このような一律ではない隙間に対応するにはくさび形スペーサーが必要となる。
(当社の施工説明ではくさび形スペーサーは使用しない)
前項2の「1列目の幅カット」では、壁の曲りの沿って、フロア材の幅をカットする説明をしています。
特に古い建物では、壁は曲がっているものとの前提で、1列目の幅カットを実施してください。
旧式クリック施工では、フロア材長辺の嵌合は、あて木を当てて叩く施工がありますが、等厚スペーサーで隙間がある場合は、ハンマーで叩いた方向に曲がった状態でフロア長辺が嵌合されるため施工後に長辺の嵌合が外れることがありますので注意してください。
等厚スペーサーを使用できるのは、壁が曲がっていない、または壁の曲りに沿って1列目の幅をカットした場合のみです。

5. 1列目の精度が重要

1列目フロア材のジョイントの精度は、2列目以降最終列までの施工に影響する。1列目のフロア材は長辺が一直線になるように施工する。最善の策として、1列目の各短辺のジョイントの精度確保のため長さ40センチメートル前後のフロア材を短辺ジョイント部に嵌合(ジョイント)し、2列目の施工時に順次取り外す。
(EN13329の隣接するフロア材の隙間規格からの説明)
EN13329 Annex B(隣接するフロア材の隙間)では、平均0.15mm以下、最大0.20mm以下が規格となります。クロクロノテックスの同試験結果は0.00mm、隙間はありません。
従いまして、1列目の幅嵌合が僅かでもずれていると2列目の施工は困難で、2列目の施工が困難であれば、最終列まで施工に手こずります。長辺の嵌合ができないときは、クリックにおが屑入っているか確認してください。フロア材の不良かもしれませんのでフロア材を替えて施工してください。あて木を当てて長辺を嵌合する行為はNGです。

6. メーカー説明施工の乱張りについて

各メーカーとも、各列の最後の1枚(張り終い)は必要長さにカットし、残長は次列の張り始めに使用する「乱張り」説明である。また、フロア材のカットした長さは張り終いも張り始めも40センチメートル以上とするルールがある。
この施工方法(乱張り)では、各列の張り終いの長さが事前に40センチメートル以上であるかは不明なため、張り終いの長さが30センチメートルなどでは、当該列の張り始めの長さを10センチ以上短くして、張り直しする(手戻り作業)ためお勧めできない施工説明である。
また、ラミネートフロアの施工では、張り終いの長さ測定と長さカットは施工時間の約半分の時間となるため、1列毎に張り終い長さの測定とカットをするのではなく、2列または3列同時の施工をし、2列または3列の張り終い長さ測定と長さカットが施工時間の短縮となる。
長さカットの精度に自信があれば、事前に張り始め長さのカットや張り終い長さのカット(プレカット)をご検討してください。

7. 施工時間を短縮する推奨割付施工

①乱張り:2列目以降は、2列または3列同時に施工する。
張り始めの長さは40センチ以上、且つ張り終いの長さが40センチ以上とする。
(これら40センチは目安長さで、39センチや38センチでも問題はありません。以下同説明。)
②1:2の均等割付け(レンガ張り):
2列同時施工となる。張り終いの長さが40センチ以下の場合は採用不可。
③1:3の均等割付け施工:
3列同時施工となる。3列の張り終いのいずれかが長さ40センチ以下となる場合は採用不可。
④1:4の均等割付け施工:
4列同時施工となる。商品MAMMUT(1845mm)のみ採用可能。4列の張り終い長さは40センチ以上とする。

8. クロノテックスのクリック施工

クロノテックスのクリック施工はExpress Clic、工具もハンマーも不要の最新式。
①前列の施工済みフロアに斜め15度から30度の角度で差し込み、右側のフロア材に密着させる。
②下へ降ろしていくと、右側フロア短辺のバネが押されて引っ込む。
③さらに降ろしていくと、バネが戻り、フロア材の長辺と短辺の嵌合が同時に完了する。
バネはマイナスドライバーなどで横方向にずらし外すことができる。外したバネは戻すこともできる。フロア材の一部を切り落とす収まりが必要な時は、バネを外し切り落とす形状が正確に加工できた時に、バネを元に戻し嵌合を完成する作業が可能である。バネには裏と表があり、外したバネを戻す時は裏と表を間違わないように注意する。

9. 最終列の施工

最終列フロア材の幅カットは、壁の曲りや部屋の変形に合わせてカット線を引きのが注意事項。
①最終列の長さに合わせ、フロア1列を嵌合する。
②図を参考にし、最終列のカット線を引く。
③①の嵌合を外し、フロア材を1枚ずつカットする。(短辺嵌合用のバネも同サイズにカット)
④③のカットで、バネが有効でない場合は、フロア短辺の下端に木工バンドなどの接着剤を適量入れて短辺フロアの嵌合とする。接着剤が硬化するまで、重しを乗せて養生する。
 
以上にてフロア施工は完了、すべての嵌合を目視で確認し、問題がなければ、巾木などを取り付けて、すべての施工が完了です。

  

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